活動レポート
REPORT

利用者の声(福島県庁訪問インタビュー【災害時返却カーリース】)

2023.11.21

11月8日に福島県を訪問し、危機管理部災害対策課の馬場主査、冨塚主事に、災害時返却カーリース車両の現在の利用状況や導入の経緯について教えていただきました。

また、導入を検討している他の自治体に向けて温かく力強いメッセージも頂戴し、さらに災害対応に纏わるいろいろなお話も伺うことができて、大変有意義な訪問となりました。

日本カーシェアリング協会(以下「協会」)は、昨年令和4年9月に福島県と「災害時における被災者等の移動手段の確保に関する協定」を締結しました。また、今年令和5年4月からは、災害時返却カーリースもご利用いただいております。

(過去記事)【自治体の導入は全国初!】福島県様に災害時返却カーリースを導入していただきました。
https://www.japan-csa.org/blog/archives/3699

 

1. 活用状況

Q. 現在はどのような用途でお使いですか?
 

A. 各市町村への出張や関係各機関への訪問など、車で出かける機会は多いです。福島県は火山もあるので登山の機会もあり、大活躍しています。
 

2. 車の状態

Q. 登山もあるのですね。お車の調子はいかがですか?
 

A. とても良いです(笑)。課の中でも一番きれいで、よく走る車なんですよ。
 

福島県 危機管理部 災害対策課
福島県 危機管理部 災害対策課 馬場様(左)冨塚様(右)

3. 契機

Q. それはよかったです(笑)。災害時返却カーリースのことは、どのようなきっかけで知ったのですか?
 

A. 最初に知ったのは、県に災害協定の話をいただいた時です。来庁して事業説明された中で知りました。その取り組みが素晴らしいので、ぜひ協定を結びたい。とお話ししました。
 

4. 導入理由

Q. 財政部局を説得するのは大変でしたか?
 

A. 「日本カーシェアリング協会で借りるのは良いし、費用が安いことも良いが、(他の選択肢もある中で)何でなの?」ということがありました。

それに対して、「あくまでこの取り組みが素晴らしいので、応援したい。必要な仕組みであり、これをやっているのは日本カーシェアリング協会しかないので、この事業支援を是非していくべきだ」ということが主な理由であると、説明しました。
 

5. 管轄

Q. 自治体によっては、車の管理が部や課ごとの場合と、一括で管理している場合があると聞きました。
 

A. この車両は課で管理し、課の予算の中でやっています。

「災害時返却カーリースを選んだのは、協定先だからということではなく、あくまでそれが縁でこの仕組みを知り、この減災事業としての理念が素晴らしいので、ぜひ協力したい。」と財務部局へ説明しました。

6. タイミング

Q. 導入時期の問題もありますか?
 

A. そうですね。自治体はどうしても年度主義なので、年度途中に導入するのはよっぽどのことがない限り難しいです。

ですから、(導入を検討されている自治体のご担当者様には、)まずこのような選択肢があるということを知っていただけたらと思います。企業や個人の場合は、もっとフレキシブルでしょうね。
 

7. 担当部署

Q.協会としては、自治体のどの部署にアプローチしていけばよいのか?と、少し迷うところもあります。災害の話から車の話になると「それは管財なので、、、」とか。
 

A. 最初に趣旨を防災の部署の方にお話しした方が、話は通りやすいかもしれませんね。そこから、そのなかでこういったリース事業もあり、これも重要な取り組みなので、関連部署にも話を繋いでいきたい、という流れでしょうか。

福島県も、協定締結の話をもらったのが令和3年度の途中、令和4年度に締結が実現しました。

ちょうど利用していた公用車が古く、不具合も多かったので更新したいと考えていたところに、災害時返却カーリースも使えるんじゃないか?また、この事業も応援したいよね。ぜひ利用してみよう、という話になり、そこからはタイミングも良く、早く導入を進めることができました。(注:災害時返却カーリースは令和5年度に導入。)
 

8. 導入のポイント

Q. 何が重要だったのですか?
 

A. 個別事情とタイミング、そして何よりもこの事業に対する認識があることが、決め手だったと思います。他県の事情は分かりませんが、福島県の車両は古いのが多く、これはもっと需要があるのではと思ったので、周知の第1歩として全庁的にこういう取組みがありますよ、と掲示板にお知らせしました。

ただ、こういうことは繰り返しやって、覚えたところでも、その場面に直面しないと想起されないので、また何回かやっても良いのかな。
 

9. 利点/欠点

Q. 利用する側の立場として、他の選択肢と比較し、災害時返却カーリースを利用するメリットは何ですか?
 

A. まず、価格メリットが大きいですね。予算部署を説得するにしても実際に執行するにあたっても、安いに越したことはないです。

高くて良い、というのは自治体にはあり得ないので、もっと安いところはないの?予算は税金なので、その執行目的としてちゃんと検討したのか?という着眼点があります。

そして、価格面での魅力だけでなく、再三申し上げている通り、この事業を応援したいというのもありました。

災害時に返却するということについては、特に問題ありません。
 

10. 他の選択肢

Q. 災害時返却カーリース以外の選択肢には、どのようなものがあったのですか?
 

A. 車両が欲しい場合、通常は他の部局からの管理替え(やりくり)をします。どうしても車が必要な部署が車を更新(新規購入)する時があり、その時放出された車両を取り合うことになります。

購入のためのイニシャルコストが認められることが現実的にはほぼ無いので、ランニングコストの中で賄う必要があります。
 

自治体として導入を検討される場合は、事業理念、事業効果、これが広まることで波及効果があることを前面に出していくのが良いのではないでしょうか。

11. 契約形態

Q. 車両をリースという形で導入することの難しさはありますか?
 

A. 購入して公有財産としておかなくて良いのは、逆に手間が省けるのでメリットではないでしょうか?安いことのメリットがとにかく大きいし、車以外でリースで使っているものもあるので、リース契約だから難しい、ということもないでしょう。

(自治体として導入を検討される場合、)事業理念、事業効果、これが広まることで波及効果があることを前面に出していくのが良いのではないでしょうか。 

福島県内の自治体に対しては、まず県と協定があり、災害時返却カーリースの契約実績もあるという点で、一つ壁をクリアしているのではないでしょうか。また、協定の無いところでは、協定や覚書というところからスタートすることになると思います。
 

12. 車の被災

Q. 最後になりますが、災害が起こった時、県として家屋や道路などの状況は調査されていますが、車の被害についてはどのように把握され、あるいはどういう声が上がってくるのでしょうか?
 

A. 私有財産は自己責任、ということもあり、情報収集は行っていません。ただ家屋については生活への影響が大きいので、住宅調査をして罹災証明を出すなどの対応をします。

車両については、声は現場で調査をすると上がってくるので認識はするけれど、被災台数の情報までは持っていない。(車の被害の様子が)センセーショナルに報道されたりしますが、その被害の大きさを物語るシンボルとして認識する程度になります。

車の被害を調査したとしても、手当をする術がないのです。逆に、うちが協定締結に前向きだったのは、その実態がわかっていて、手当をする術がないから、こういったこと(協会の寄付車無料貸出による被災地域への支援)をしていただけるのであれば、自治体間の調整だったり、協力を惜しむものではないので、すぐやります。ということでした。
 

13. ありがとうございました

Q. たくさんの貴重なお話をしていただき、感謝しています。この取り組みを更に広げていくよう、がんばります。
 

A. 福島県に連絡していただければ、公用車としての導入から契約までの経緯などもお話しします。自治体同士で、直接話した方が伝わりやすいと思います。

福島県庁(2023年11月撮影)


災害時返却カーリースについてはこちら
https://www.japan-csa.org/action/lease.php#lease02