こんにちは。コミュニティ・サポート事業部のやまです。
11月10日に、石川県白山市の「しらみね未来づくり会議」の皆さまが、コミュニティ・カーシェアリングの視察にお越しくださいました。

今回で石川県からの視察は2件目となります。
*能登町役場の皆さまの視察の様子はこちら
白峰(しらみね)地域は、日本三名山のひとつ「白山」の麓に広がる自然豊かな地域です。
今回は「農村部での活動を視察したい」とのご希望をいただき、宮城県登米市で活動するカーシェア会「松の実フレンド」をご案内いたしました。
視察会場に到着された後、まずは私たちからコミュニティ・カーシェアリングの仕組みをご説明しました。
参加された皆さまは、前日には登米市近郊の地域も見学されており、その印象も踏まえながら、熱心に説明に耳を傾けてくださいました。
その後は、登米市石越地区で活動するカーシェア会「松の実フレンド」の皆さんと交流しました。
今回の視察にあたっては、しらみね未来づくり会議さまから、高齢化や過疎化が進むなかで、地域でどのような支え合いの仕組みをつくれるのか、実際の取り組みからヒントを得たいというお話がありました。
その背景として地域が抱える課題について説明がありました。
『高齢化が進み、買い物一つにも車で30分かかる状況で、家族に頼るか、高齢者が自分で運転するしかない状況である』
『小さな商店はあるものの、金沢など近隣へ行くための直通バスの廃止などで、不便さが増した』
こうした課題意識を共有していただいたうえで、「松の実フレンド」からは、買い物や通院に限らず、
会員同士で遠出を楽しんでいる様子や、90代の住民も仲間に囲まれながら元気に活動に参加している姿など、これまでの取り組みについてのエピソードをお話しいただきました。

実際に、地域の参加者からは、
『いくつになっても外に出られることが本当に嬉しい』
『お出かけの機会がなかったけど、今ではお出かけが大好きになりました』
といった声も聞かれ、日々の外出が大きな楽しみにつながっている様子が伝わってきました。
高齢者や住民の将来的な移動手段への不安が語られる一方で、年齢を重ねてもカーシェア会(松の実フレンド)の活動をきっかけに外に出て人とつながり続ける姿を目の当たりにし、視察された皆さまにも、カーシェア会の活動の効果が強く印象に残ったようでした。
交流を通じて、コミュニティ・カーシェアリングが、
年齢を問わず外出の機会を生み、地域の支え合いにつながっていることが伝わったように感じました。

交流後には、視察プログラム全体を振り返りながら、質疑応答の時間を持ちました。
仕組みの説明と松の実フレンドの実践を見たことで、しらみね未来づくり会議さまからは、
『地域でどう始めればいいのか』
『どんな運営体制が必要か』
といった、さらに踏み込んだ質問が寄せられました。
これらのご質問には、当協会から、松の実フレンドの事例や、
これまで各地で積み重ねてきた支援の経験も交えながらお答えしました。
現場での具体的な工夫や歩みをお伝えするなかで、白峰地区での取り組みをイメージしながら意見交換する時間になったと感じました。
今回の視察では、しらみね未来づくり会議の皆さまが、
地域づくりのヒントを一つひとつ探っていく姿が印象的でした。
白峰地域での取り組みを考えるうえで、少しでも参考になっていれば嬉しく思います。
もしコミュニティ・カーシェアリングに挑戦される際には、私たちも全力でサポートさせていただきます。

日本カーシェアリング協会では、地域コミュニティや自治体の皆さまを対象とした視察プログラムを実施しています。その地域の特徴に応じた事例をご紹介できるよう努めておりますので、関心をお持ちの方はぜひお気軽にお問い合わせください。