2026年7月1日、国土交通省の会見室にて記者会見をさせていただきました。
南海トラフ巨大地震における自家用車被害推計と車両支援の規模試算、提言、備えのためのアクションについて発表させていただきました。記者会見の内容を公開しますのでぜひご覧ください。
◆当日の資料はこちらよりダウンロードいただけます。
【調査に至った背景と目的】
南海トラフ地震では、津波による自家用車被害が甚大となり、そのことが被災者の生活再建に大きな影響を及ぼすことが想定されています。一方で、その自家用車については、具体的な被害想定は現時点で示されていません。そこで、私たちは南海トラフ巨大地震への備えを進めるためには、まず被害規模と必要な支援規模の想定が必要であると考えました。
本来であれば、専門的な調査機関等と連携し、より精緻な調査・推計を行うべきものだと考えています。しかし、1日でも早く備えに向けて議論を生み、具体的な動きを生むために、まずは一定の前提に基づき、私たち自身で推計の算出に取り組むことにしました。
【試算方法】
東日本大震災の際、内閣府が算出した被害推計(40.8万台)の算出方法を確認し、それに準じた方法(浸水世帯数×自動車保有率)で試算を行いました。
但し、今回の推計・試算はあくまで一定の前提に基づく推計値であり、正確な実数を示すものではありません。東日本大震災での推計との比較を通じて、南海トラフ巨大地震における車両支援の「必要規模感」を示すことを目的としています。
※推計方法の詳細や前提条件については、動画および発表資料をご参照ください。
【試算結果】
・推計被害台数 東日本大震災の5倍以上(204万台以上)
・必要支援台数 2.0万台以上
・必要経費 年間26億円(3年合計 77.4億円以上)
※「以上」としているのは、今回の集計対象から外した都県(広島・山口・大分・鹿児島・東京・千葉・沖縄・香川)を含めた場合、規模がさらに大きくなるためです。



【提言】
今回の推計結果を踏まえ、私たちは以下の4点を提言させていただきました。
①実態を把握する
国として、災害時の車の被害状況や影響に関する状況把握を進めてほしい。そのうえで、南海トラフ地震等の大規模災害における車両被害の実態調査・公式推計を実施してほしい。民間団体が精度に限界のある推計を行わざるを得ない現状を改め、対策立案のための基礎データを整備してほしい。
②災害時の車の問題への対応を検討
車を失った被災者は生活再建が困難になる。こうした「移動の喪失」を災害時の課題として位置づけ、具体的な対策の検討を始めてほしい。
③支援に係る費用を公費で負担できる制度設計
大規模災害時に資金がボトルネックになり支援を届けられなくならないように公費で負担できたり、支援の負担が軽くなるような制度を整えてほしい。例えば、①災害救助法の適用対象に車両支援を加えること、②支援用車両の税金減免制度を設けることなど。
④公用車の災害時活用の推進
国・自治体が保有する公用車を、災害時貸し出し可能な体制に整備すること(災害時返却カーリース 自治体プラン※)を推進してほしい。より迅速に多くの被災者に車を届けられる具体的な車の備えとなる。
【大規模災害への備え】
東日本大震災から15年の節目の年に、私たちは大規模災害に本格的に向き合う決意と共に新たな中期計画を立てました。私たちが現在災害時対応できる支援規模を約3倍の2,000台規模に拡大する計画です。東日本大震災規模の災害で支援に必要と見積もった4000台の半分。今回推計した南海トラフ巨大地震の支援に必要な台数の1割にあたります。
しかし、これまでの私たちのペースでは到底たどり着けません。ギアチェンジして取り組む必要があります。15年前の7月に私たちは法人を設立し、最初の車を被災地に届けました。この節目の月から3か月間、備えのための仲間を募るチャレンジを実施することにしました。一人でも多くの方に、備えの仲間として参画いただければと思っています。ぜひ詳細をご確認いただき、ご協力をお願いいたします。
感謝と備えの3カ月チャレンジ ~あなたも、備えの仲間に~
プロジェクト期間: 2026年7月1日(水)~ 9月30日(水)
チャレンジについて詳しくは特設ページをご覧ください。

今回の発表が、災害時の車の問題に一人でも多くの方が向き合うきっかけとなり、備えのための協力や、制度・仕組みづくりが少しでも前に進むことを願っています。これからの活動に温かいご支援とご協力をよろしくお願いいたします。
本件に関するお問い合わせ: mr@japan-csa.org