こんにちは。コミュニティ・サポート事業部のやま(山下)です。
11月13日に、岩手県一関市猿沢地区で活動する「猿沢カーシェア会」に、秋田県横手市の山内地区交流センターの皆さまが視察にお越しくださいました。
今回は、私たちにとって初の試みである、
対面×オンラインのハイブリッド視察として実施させていただきました。
今回の視察は、横手市山内地区交流センターで実施された地域アンケートで「移動の課題」が上位に挙がったことがきっかけでした。また、昨年、当協会の代表理事・吉澤とお話しする機会があり、コミュニティ・カーシェアへの視察を検討されていてご相談を頂きました。
その際、訪問のしやすさ、地域性が比較的類似しているという点で、猿沢カーシェア会への訪問を希望され、
今回のハイブリッドによる視察が実現しました。
具体的には、私(山下)がオンラインでコミュニティ・カーシェアリングの仕組みをご説明し、
会場では横手市山内地区交流センターの皆さまと猿沢カーシェア会が対面で交流するスタイルでの実施とさせていただきました。

視察では、まずコミュニティ・カーシェアリングの仕組みをオンラインでご説明し、その後、猿沢カーシェア会との交流の時間に移りました。
交流に先立ち、横手市山内地区交流センターの永沢さまより、地域の状況を詳しくお話しくださいました。
『雪が多く、4つの川を挟む形で地域が分断している』
『JRや路線バスなどの公共交通の利用者はごく少数で、コミュニティ・バスはあるが1日1便のみで、移動の課題が地域からも挙がっている』
山内地区が抱える実情について、切実な思いを込めて語られていたのが印象的でした。
地域の状況を共有していただいたあとは、活動の具体的な部分について質問がありました。
『猿沢では、週にどのくらい運行しているのか』
『ドライバーは何人で、どのように当番を決めているのか』
『予約の管理方法はどうしているのか』
運営面については、世話人として関わっているボランティアドライバーのみなさんや予約係のメンバーから、
当番制の工夫や、負担感の少ない関わり方などをお話しいただきました。
続いて、普段からカーシェアを利用している住民の方々の声も、現場でご紹介しました。特に、
『お茶っこ会やお出かけツアーでは、カーシェアを利用する同じ生活状況の仲間たちだからこそ、気持ちがとても安らぐ』
という一言が印象的で、この言葉が出た瞬間、
会場全体がふっとあたたかい空気に包まれたような雰囲気を、画面越しでも感じとることができました。

会場のあたたかな雰囲気のまま、
猿沢カーシェア会のみなさんとの交流に質問が自然と織り交ざるかたちで、全体のプログラムが締めくくられました。
山内地区で取り組むとしたらどのエリアから始めるのか、
誰を仲間として巻き込んでいくのか、といった今後の展望についても意見が交わされ、前向きな対話の時間となりました。
視察後にいただいたご感想で、
「移動支援だけでなく、コミュニティの再生・維持を意識する大切さを今後の大事な視点にしていきたい」というお言葉がありました。この視察によって気づきがあったようで嬉しいです。
今回の視察では、猿沢カーシェア会の皆さまが、会場の準備から当日の進行、横手市山内地区交流センターの皆さまの現地での対応まで力を尽くしてくださいました。カーシェア会のみなさんのご協力に、改めて感謝申し上げます。

■宮城以外のカーシェア会の視察も対応可能に
日本カーシェアリング協会では、地域コミュニティや自治体の皆さまを対象とした視察プログラムをご提供しています。これまでは宮城県内のカーシェア会のみで対応させていただいておりましたが、今回のようにオンラインを組み合わせた形であれば、宮城県外で活動するカーシェア会への視察も対応可能となりました。現在、岩手県一関市、石川県能登町、愛知県豊田市のカーシェア会で対応が可能です。興味・関心をお持ちの方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。