岩手県一関市と岩手県がそれぞれ同じ時期に主催された研修で、
コミュニティ・カーシェアリング(以下CCS)についての事例紹介をさせていただきました。

岩手県ではすでに猿沢カーシェア会(一関市)、田代カーシェア会(宮古市田代地区)、上浜田アッシーくん(陸前高田市)の3つのカーシェア会が活動しており、山間地域や農村地域を中心に住民主体のCCSが少しずつ広がりを見せています。
今回は、両研修とも、自治体職員、コミュニティセンター職員、生活支援コーディネーターといった地域を支援される方々を対象とした研修でした。取り組みの仕組みや実例に加え、それぞれの立場の役割や地域のために実践できることについても共有させていただきました。
【一関市での研修会】
9月5日(金)、一関市まちづくり推進課様の主催の「コミュニティ・カーシェアリングに関する研修会」で代表理事の吉澤が登壇させていただきました。
冒頭、小野寺部長から地域交通の現状とともに「地域交通の新しい可能性としてコミュニティ・カーシェアリングに注目し、今回の研修を開催いたしました。学びを今後の地域づくりに生かしていきたい」とのご挨拶がありました。猿沢カーシェア会の躍進を目の当たりにしている一関市がCCSへ期待していただいていることが伺えました。
そして、吉澤が約1時間かけてCCSの仕組みや全国の取組事例を紹介しました。
事例紹介の後の質疑応答では、「大人数で行うツアーの際の車の手配」「ボランティアドライバーの確保」といった具体的な質問がたくさん寄せられました。
これに対して一つ一つ回答をおこないましたが、せっかくなのでご参加いただいていた猿沢カーシェア会の小野寺会長にご起立いただき回答いただきました。
例えば、「予約の受付が負担では?」という質問に対して「交代制や順番制で行うことで、負担が分散できている」と、経験に基づいた回答を行っていただくことで、参加者も深くうなずき、納得感と関心が深まっている様子が見て取れました。

【岩手県での研修会】
続いて8日(月)には、岩手県福祉部の主催による「令和7年度 生活支援体制整備事業 テーマ別研修会(移動支援)」の中で、CCSについて事例紹介をさせていただきました。
午前中は岩手県福祉部筒渕課長による現状報告、そしてNPO法人全国移動サービスネットワークの伊藤みどり事務局長による講演があり、全国的な移動支援の動向や仕組みづくりのヒントが共有されました。
そして、午後には当協会の吉澤が登壇し、CCSの仕組みに加えて生活支援コーディネーターとの連携事例ついて解説。さらにここでは猿沢カーシェア会(小野寺会長・千田さん)も登壇され、事例報告が行われました。



そこでは、活動の背景やきっかけから、講演会や視察を企画したり、公益財団法人いきいき岩手支援財団様の助成を活用したり、協会の伴奏支援を受けながらCCSの導入を進め、導入後も安全運転講習の実施したり、スポンサーを獲得したり、サロンやツアーを活発に行う様子など具体的に詳しく紹介いただきました。
今回の2つの研修を通して、私たちが仕組みや事例を紹介することに加えて、実際に実践されている方の生の声を伝えることで大切なことをリアルに伝えることができ、心に響くものになると実感しました。こうした機会をぜひ今後も作りたいと思いました。
岩手県内では猿沢カーシェア会をはじめ、複数のカーシェア会が生き生きと活動を続けていただいています。
この輪をしっかりを広げられるように、協会としてもお手伝いをしていきたいと考えています。
本研修会を企画・運営いただいた一関市様、岩手県様、公益財団法人いきいき岩手支援財団様に、改めて感謝申し上げます。
■ 講演(研修)・視察に関してはこちら
https://www.japan-csa.org/contact/inspection.php
■内閣府地域活性化伝道師
https://www.chisou.go.jp/tiiki/dendoushi/index.html
■猿沢カーシェア会設立の記事はこちら
みんなの思いが実り「猿沢カーシェア会」が本格始動!10名の地域サポーターが誕生!